上越市寺町にドラゴンボールがあった!?

=2012年1月1日更新=

新潟県上越市寺町2の善導寺(浄土宗、内山順一住職)には「竜の玉」がある。竜が供養の礼にくれたとして伝えられる寺宝だ。

竜の玉は、直径12cmほどの、おにぎりのような形状で、表面は茶色がかった緑色をしており、ややつやがある。見た感じは石のようだが、材質は不明だ。普段は厨子に入れて保管しており、一般に公開はしていない。

竜の玉
doragon

この竜の玉をめぐっては次のような言い伝えがある。

 1614年(慶長19年)の高田城築城に伴う寺町造成に合わせ、同寺は高田に移った。玉は、当時の高僧・幡隨意上人を招いて落慶法要を営んだ。上人は100日間にわたり説法した。その間、一日も欠かさず訪れた男がいた。100日目の説法が終わったとき、男は自分が青柳の池に住む竜神であることを明かし、「妻の竜はあなたの救いを受けて成仏することができた。日参して上人の教えを聞いたが悟りきれない。妻の竜と同様に、私も救ってほしい」と訴えたという。
 上人が「お前が本当に青柳の池の竜ならば正体を現せ」と言ったところ、男は竜の姿に変わり、寺の本堂に7回り半巻きついた。
 それを見た上人は、弟子を青柳の池にやり、竜の戒名を書いた札を池に投げ入れて法要したところ後日、その男が寺に現れ、礼として「竜の玉」「竜水」「竜灯」の三つを捧げたという。

 竜が寺に捧げたという三つのうち、現在も伝わっているのが竜の玉と「竜水」の二つ。竜水は今も境内にある井戸のことだといい、現在はふたがされている。 

竜が住んでいた青柳の池は、上越市清里区の坊ケ池ではないかと解釈されている。