ササユリはユリ科ユリ属の球根植物で、上越地方が生育の北限とされる。新潟県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。2008年に国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」に糸魚川市産のササユリの種が実験に使われたことで、一躍有名になった。今回植えた球根は、宇宙に行ったものと同じ球根から増やしたという。
ササユリは、かつては春日山周辺に自生していたが、淡いピンクの美しい花のため乱獲されたり、根腐れなどで壊滅状態になっている。同会では春日山観光の目玉にして、多くの人に楽しんでもらおうと植栽を計画した。経費約20万円は、地元企業12社から支援を受けた。
谷村建設谷村環境緑化研究所主任研究員の藤田央子さん(40)の指導のもと、3年計画で計1500個の球根を植え付ける。モグラやノネズミによる被害を差し引き、3年後には1000株の花が見られる計画だ。
当日は13人がボランティアで参加。移植ごてで斜面に穴を掘り、丁寧に球根を植え付けた。板垣会長(59)は「今年6月には300ほどの花が咲く予定。観桜会と謙信公祭の中間の季節に、春日山できれいな花を楽しんでもらいたい」と話していた。