福島県からの避難者第1陣が上越市に到着

東京電力福島第1原発の事故で、上越市が県の要請で受け入れる福島県南相馬市からの避難者の第1陣約200人が2011年3月18日夜、上越市に到着した。(江口)

バスから降りて希望館に入る南相馬市民
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18日、新潟県が用意したバス4台に195人が分乗し、午後6時30分過ぎに避難所のユートピアくびき希望館(頸城区)に到着。村山秀幸市長が出迎え、お年寄りから幼児まで幅広い年齢層の相馬市民が大きな荷物を持って次々と希望館に入った。

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屋内退避指示が出ている福島第一原発から半径30km圏内の南相馬市原町区から来た蛯原傅さん(64)は妻と長男、知広さん(35)以下5人の子どもとともに一家で上越市に避難してきた。長男の知広さんは「地震や津波の被害は少なかったが、燃料不足で暖房も食べ物もない上、放射線の影響が怖かった。家族会議をした結果全員で避難することを決めた。ここには南相馬と違って物資もあるし店も開いていて一安心だが、いつ戻れるか全く分からず将来が不安」と話した。4男の伸一君(15)は上越市に避難してきたこの日が中学校の卒業式が行われるはずの日だった。「連絡が取れない友達も多くて心配。高校の合格発表もないまま地震になって、この先学校がどうなるかわからなくて心配」と話していた。

希望館に入って市職員の説明を聞く南相馬市民
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同館は、多目的ホール、視聴覚室などを居住スペースとしており、胃腸炎やかぜなどを患っている人用の療養室も設置。重症者用のスペースも別に設けている。また保育室も用意した。

保育室では早速2家族4人の子供たちが折り紙やブロックで遊んだ
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福島県の要請を受け新潟県は約2万人を受け入れる予定で、このうち上越市は約1000人の受け入れを計画している。
 上越市災害対策本部によるとこの日はこのほか、南相馬市から87人が自家用車で上越市に向かった。
 上越市によると、19日に南相馬市から400人を柿崎区のかきざきドームと木田1の身障者体育館で受け入れる予定だったが、長岡市と聖籠町で受け入れたため、上越市では受け入れないことになった。今後の受け入れについては、県と調整中としている。