妊娠中から出産前後までの女性やその家族を支援しようと、妊娠期に苦労した経験のある新潟県上越市の女性たちが任意団体「ふぁみりり」を立ち上げた。SNSでの産前サービスなどの情報発信やイベント開催から始め、将来的にはヘルパーなど支援サービスの提供も目指している。
メンバーは、昨年切迫早産で数か月間入院した際に出会い、妊娠中の支援サービスの乏しさなどの悩みを共有したのをきっかけに、今年1月に団体を設立。知り合いにも声を掛け、現在は5人で活動する。10月にホームページとインスタグラムのアカウントを開設し、妊娠中に役立つ情報などを発信している。
団体によれば、同市は産後の子育て支援が充実する一方、産前の支援が少ない。つわりなどで家事や育児ができない母親向けの産前・産後ヘルパー制度はあるが、母親が入院中など在宅でない場合は利用できず、申請に時間がかかるなど課題も多いという。
代表を務める介護職の高橋朋美さん(32)は「介護であればケアマネジャーがいるが、妊婦は情報収集から自分で行い負担が大きい。ゆくゆくは課題解決を共に考えるケアマネ事業や、ヘルパーをしたい人と必要な人をつなげるなどしたい」。実現の可能性を市と話し合うほか、団体のNPO法人化を目指し準備を進めているという。
12月4日には、市の地域活動支援事業の補助金を活用し、初のイベント「妊産婦のつどい」を同市中央1のレインボーセンターで開く。助産師による妊娠中のアドバイスや先輩ママとのトークセッション、栄養士と料理人による弁当付き食事講座を行う。オンライン参加も可能。
メンバーの直江麻衣さん(37)は「妊娠中に誰かとつながっておけば、産後の辛い時期も乗り越えられるのでは」、SNS担当の武藤里奈さん(27)は「困り事など小さな声を拾い集め、SNSを通じて上越市はもちろん全国にも発信したい」と話している。
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◇ふぁみりりリンク集 https://lit.link/famireli