新潟県の上越警察署は、安全で安心できる市民生活の確保や、地域の防犯力を強化するため、2019年4月1日から「移動交番車」の運用を始めた。上越市の高田公園で行われた高田城百万人観桜会では、会期中、臨時交番としても活用され、遺失物や迷子の相談などに応じてきた。
「移動交番車」の配備は、本県では新潟西署、長岡署に続き、3署目で、上越地区では初めて。昨年5月、新潟市で小学生の女児が殺害され、線路上に遺棄された事件では、被害女児が通っていた小学校の正門前に移動交番車を設置。不審者情報の収集などに活用した。
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登下校時の子どもの安全確保や防犯教室、イベントでの移動可能な交番として運用していこうと、今月、上越地域の拠点警察署である同署にも1台が配備された。移動交番車はワゴンタイプで、車体に「新潟県警察」と表示があり、屋根には赤色灯も着いている。車内にはテーブルと、最大8人が座れるイスが装備されているほか、プライバシーへの配慮から、窓にはカーテンも。遺失届出書や道案内用の地図などを備える書類棚も設置されており、一般の交番と同様の任務が可能という。
運用は、観桜会の臨時交番として始まり、既に、遺失物や迷子の相談などに対応してきた。上越署の横山晴章地域官は「今後、子供たちの登下校時の安全確保や、犯罪抑止、交通事故防止の活動などに有効に活用していきたい」と話している。今後、イベント時などには上越地区の妙高、糸魚川両署へも貸し出すという。