旧国鉄製車両の観光列車がデビュー えちごトキめき鉄道

えちごトキめき鉄道は2021年7月4日、旧国鉄製車両を活用した新たな観光列車「観光急行」の運行を開始した。同社のリゾート列車「雪月花」よりも低価格で気軽に楽しめる観光列車として、来年度までの原則土日曜、祝日に運行する。

直江津駅出発直前の「観光急行」第1便
20210704国鉄製観光列車運行

車両は3両編成で、今年3月までJR七尾線を運行していた455系1両と413系2両をJR西日本から購入し使用。いずれも製造から半世紀が経つ昭和の列車だ。同社によると、1965年から大量製造された455系は現在老朽化で廃車が進み、これが最後の現役車両になるという。

運行ルートは直江津駅と糸魚川、市振の各駅間を1日1往復ずつ走る。茶色い座席シートがレトロさを醸し出す車内でグッズなどのワゴン販売を行うほか、観光案内放送や絶景スポットでの徐行運転を実施。秋からは車内での飲食サービスも予定している。

運行初日、午前11時半前の第1便出発を前に、直江津駅のホームは多くの鉄道ファンや家族連れらでにぎわい、写真撮影などを楽しんでいた。母親と乗車した糸魚川市立能生小4年の男子児童(9)は、観光急行を同社のほかの電車と比べ、「ドアが手動でボタンがないし、ドアステッカーがある。すごい」と笑顔。出発を前に「わくわくする」と目を輝かせていた。

乗車には乗車券のほか、国鉄時代をほうふつとさせる硬券タイプの急行券が必要で、急行券は大人500円、子供250円。運行開始を記念し、観光急行の写真を印刷した記念乗車券と急行券全4種を各3000枚限定で発売。直江津、糸魚川、高田、上越妙高、新井、妙高高原の各駅と同社の公式ネットショップで販売している。

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