新潟県上越市寺町3の常顕寺(西山要穂住職)は2021年12月19日、今年の厄落としと来年の開運を祈願する「冬至 水行 大祈祷会」を行った。冷たい雨が降る中、ふんどし姿の僧侶たちが冷水を頭からかぶり、昨年から未だ猛威をふるう新型コロナウイルスの終息などを願った。
水行によって今年の「心のアカ」を洗い流し、清らかな心身で新年を迎えられるようにと2016年から毎年実施している。元々は、西山住職(45)が世界三大荒行と呼ばれる「日蓮宗の大荒行」を終えたことを報告するため水行を披露したところ、檀家から要望があり恒例行事となった。
今年は同市のほか、柏崎市や長野県から大荒行を経験した僧侶7人が参加。上越市高田で2.9度の寒さとなった午後2時、水取(みずとり)と呼ばれる白衣を着た僧侶たちが本堂前に姿を現した。約50人の檀家らが見守る中、水取を脱いでマウスガードにふんどし姿となると、水行肝文を唱え、おけで汲み上げた冷水を勢いよく何度も頭からかぶった。
水行後には本堂内で祈祷大法要が開かれ、読経や祈祷、焼香が行われた。例年福銭や福豆などをまく「お供え物まき」は新型コロナ対策のため昨年に続き中止となり、袋詰めされたものが参拝者に配られた。
初めて参加したという上越市とよばの公務員の男性(47)は「(水行は)迫力があった。寒い中で水を浴びていただきありがたい。コロナもあり大変な一年だったので、厄や疫病が流れてくれたら」と話した。
西山住職は水行について「今年は今までで一番冷たかったが、一番参拝者の皆さんからの力を感じた」と振り返り、「来年こそコロナが終息し、心にゆとりが生まれて前に進む力が出ることを願って行った。大声を出して笑い合うイベントもできる年になれば」と語った。