スギ花粉の飛散がピーク 21日未明に1万個/㎥超える

新潟県上越地方でスギ花粉の飛散がピークを迎えている。環境省の花粉観測システム「はなこさん」によると、2018年3月21日午前1時、上越市春日山町3の上越環境センターの観測地点で、今シーズンで一番多い1立方m当たり1万1242個の花粉を観測した。

成熟したスギの雄花。未明からの南風で一気に飛散した(2019年3月20日撮影・上越市岩木)
スギ花粉3

今シーズンは2月1日から観測がスタートした。1立方m当たり1000個を初めて超えたのは3月6日午前10時で、1816個だった。3月10日午後8時には2460個、3月17日午前8時には3222個を観測した。

3月21日は、未明から南よりの風が吹き、花粉が一気に飛散した。花粉飛散数が1万個(1立方m当たり)を超えたのは、2013年3月16日午前11時に観測した1万5871個以来で、2008年に観測を開始してから2回目。

上越市や妙高市では、自動車のフロントガラスや、郵便受けなどに花粉が積もっているのが見られた。新潟地方気象台によると、黄砂は飛来していないという。

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国立研究開発法人森林研究・整備機構「森林総合研究所」(茨城県つくば市)によると、「スギの雄花が成熟し花粉が飛ぶ時期であれば、気温は特に関係ない。空気が乾燥し、雄花も乾いていれば、雄花から花粉が放出される」という。

成熟したスギの雄花

日本気象協会によると、2019年春の花粉飛散量は、新潟県を含む北陸地方では「多い」か、「やや多い」と発表されている。

上越森林管理署、県上越地域振興局農林振興部によると、上越地区(上越市、妙高市)の林野面積は、総面積の62%にあたる8万7969haで、このうち約1万5000haがスギ林とみられる。