一般住宅に観光客などを有料で泊める「民泊」を解禁する住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が2018年6月15日に施行される。新潟県上越市では、高田市街地の仲町6の町家「仲六 青苧のいえ」で市内初の「民泊」サービスがスタートする。
「仲六 青苧のいえ」は、高田駅や日本最古級の現役の映画館「高田世界館」などにも近い雁木が連なる仲町通りにある。木造2階建てで、間口が狭く奥に長い町家ならではの構造だが、内部は繰り返しリフォームが施されていて現代風の住宅だ。
民泊事業を行う原理佐さん(46)は関西出身で、約10年前に同市に移住した。本業は整体師で、建物は原さんの自宅兼店舗。原さんは、高田の町家の継承や活用を目指す活動を行う一般社団法人「雁木のまち再生」のメンバーでもあり、昨年末、空き家を使用した民泊事業の打診を受け引っ越した。建物は、雁木のまち再生が設立した合同会社が所有している。
民泊用の居室は、1階の各約5畳の和室2室と2階の各約8畳の和室と洋室の計4室で、洋室はセミダブルのベッド付き。民泊は食事の提供は出来ないので、このほかに共用のキッチンと風呂、トイレがある。2階の2部屋は二間続きだが、どちらからも1階の共用スペースに下りることができる階段がある。Wi-Fi完備。駐車場は原則として近隣の有料パーキングを利用。
宿泊費は1泊あたり、2階の洋室が5000円、和室4000円、1階の和室が各3000円。連泊や長期滞在の場合は割引がある。
施設名の「青苧」は、かつて郷土の戦国武将、上杉謙信が栽培を奨励したカラムシから採れる繊維で、高級織物の原料として珍重された。原さんはこの青苧の復活に向けた活動にも携わっていることから、地域のシンボルとなる願いを込め名付けたという。
観光客や長期滞在のほか、郊外の住民が高田の街で飲んだ後や県外の親類が訪ねて来た時の宿泊場所としての利用などを想定している。基本的に宿泊者は女性限定だが、家族などの場合は相談に応じる。なお、近所に同じ合同会社が所有する町家があり、7月から男性も宿泊できる民泊サービスが開始予定。
原さんは「遠い親戚の家に遊びに行くように泊まれる場所にしたい」と話している。
予約は電話(025-512-6050)とメール(n6.aoso@joetsu.ne.jp)で受け付ける。ホームページも開設予定。