鉄道のまち直江津に汽笛の音 トキ鉄の鳥塚社長が設置 1日4回鳴り響く

新潟県上越市のえちごトキめき鉄道は2019年12月16日、直江津駅に隣接した運転センターにかつて蒸気機関車(SL)で使用していた「汽笛」を設置し、1日4回鳴らし始めた。新潟県鉄道発祥の地で鉄道の街“直江津”に「ボーッ」という、懐かしい汽笛の音が鳴り響いている。

汽笛の設置はアイデアマンとして知られ、今年9月に就任した鳥塚亮社長(59)の発案。10数年前に使用しなくなった鉄道部品の販売店で購入し、鉄道コレクションの一つとして保管していたという。「トキ鉄に来て地元の人は直江津は鉄道の街と言う。だったら、汽笛ぐらい鳴らさないと」と鳥塚社長。

設置された汽笛と鳥塚社長
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蒸気機関車は蒸気で汽笛を鳴らすが、今回設置した汽笛はコンプレッサーを使って、圧力をかけた空気で鳴る仕組み。運転センター内で車両検査などを行う検修庫の壁に設置し、タイマーで毎日午前8時30分、正午、午後1時、午後5時10分に自動的に鳴る。時間は一般的な会社の始業や昼休み、終業の時刻に合わせた。

運転センターの検修庫の壁に設置された「汽笛」
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設置工事を担当した同社直江津運転センターの島明義車両助役(60)は「子どもの頃、SLに乗って海水浴などに出掛けたことを思い出しました。懐かしいですね」と話す。

鳥塚社長は「昭和の時代は蒸気機関車の汽笛の音が時計代わりだった。私の年代がやらなければ忘れられてしまう。毎日の汽笛の音で鉄道を身近に感じ、生活の一部になってほしい」と話していた。