水行で新型コロナ退散祈願 上越市寺町3の常顕寺

新潟県上越市寺町3の常顕寺(西山要穂住職)で2020年12月13日、厄よけ開運の水行祈願と祈祷法要が行われた。今年は参拝者の幸運のほか、新型コロナウイルスなどの疫病退散も祈願し、僧侶7人が何度も冷水を頭からかぶり身を清めた。

冷たい雨が降る中、ふんどしにマウスガード姿で水行祈願する7人の僧侶
20201213常顕寺水行

今年一年の心のあかを洗い流し、清らかな心身で人々が新年を迎えられるよう祈る年末行事として、2016年から毎年開催されている。世界三大荒行と称される、11〜2月の100日間にわたり水行や読経に励む「日蓮宗の大荒行」を経験した西山住職(44)をはじめとする僧侶が、今年は県内外から7人参加した。

この日の同市高田の午後2時の気温は4.2℃。冷たい雨が降る中、本堂前に人数分のたるとおけが置かれ、水行祈願が始まった。僧侶たちは水取みずとりと呼ばれる白い行衣を脱ぎ、ふんどしとマウスガードのみを着けた姿で水行肝文かんもんを読経。おけですくった水を勢い良く何度も頭から浴びる姿を、檀家や地元住民ら約40人が見守った。

毎年訪れているという同市仲町6に住む檀家の70代と80代の夫婦は「(水行を)見ると新たな気持ちになる。家内安全と身体健全を願った」と話していた。

本堂内での祈祷法要は例年水行後に行われるが、今年は感染症対策で参加者を分散させるため、水行の前後に2回実施。福豆や菓子のお供え物まきは行わず、袋詰めされたものが参拝者に配られた。

僧侶5人が参加した祈祷法要
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西山住職は「今年で5年目だが、雨が降っていたのは初めて。雨に当たるのは水行とは違った寒さがある。今年はコロナがあり、雨に打たれても耐えなくてはいけない、そういう年だったのかな」と語り、「来年はマスクがなくてもいい、当たり前の日常に戻れば」と願った。