上越市吉川区で3年連続コウノトリのひな誕生 高士区では産卵確認 市内3か所で繁殖へ

新潟県上越市は2026年4月10日、同市吉川区で営巣した国の特別天然記念物コウノトリのつがいの卵が孵化(ふか)したと発表した。つがいは野生種の絶滅以降、2024年に県内で初めて繁殖に成功した2羽で、ひな誕生は3年連続。また今年初めてコウノトリが営巣した高士区では産卵が確認された。

吉川区 3年連続

吉川区のつがいは2020年4月9日生まれの雄(6歳)と2019年4月30日生まれの雌(6歳)で、3月3日に抱卵が確認されていた。同市教育委員会によると、4月6日に市が撮影した動画などを兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の専門家に送り、親鳥が餌を吐き戻してひなに与える様子が確認されたことなどから、孵化したと判断された。

吉川区で誕生したコウノトリのひな(橋爪法一さん提供、2026年4月9日撮影)

昨年12月にはコウノトリの感電や巣の落下事故を防ぐため、営巣していた電柱を約1mかさ上げし巣台を付ける環境の変化があったが、無事3年目の繁殖に成功した。孵化は4月6日で、巣立ちは6月中旬の見込み。

市内でコウノトリの観察を続ける市議会議員の橋爪法一さん(76)は「今年は巣のかさ上げがあり、これまでと違ったので、無事ひなが誕生し感慨深い」と話した。これまでのところ、少なくとも4羽のひなの姿を確認しているという。

高士区 初のひな誕生に期待

高士区のつがいは2023年4月6日生まれの雄(3歳)と2022年4月11日生まれの雌(4歳)。3月に電柱に営巣しているのが確認された。

コウノトリの感電や停電防止のため、道をはさんだ反対側に新たに巣台を付けた電柱を設置。巣をそのまま移設した。つがいは当初は元の巣があった電柱に執着していたが、その後新しい巣に移り、産卵に至った。

抱卵するコウノトリ(橋爪さん提供、2026年4月8日撮影)

市教委によると、4月6日までの観察記録をコウノトリの郷公園の専門家に送り、抱卵と判断された。抱卵日は5日で、順調にいけば6月上旬にひなが誕生する見込み。

近くに住む70代の男性は「巣の移設などもあったので、(抱卵確認で)ほっとしている。高士にコウノトリが営巣してうれしいし、地域も喜んでいる。見守っていきたい」と話した。

市内3か所で営巣、繁殖へ

これで今年、市内では、吉川区でひな誕生、三和区と高士区で抱卵中となった。2024年の初の営巣確認から3シーズンで3か所に増えた。橋爪さんは「市内にコウノトリの営巣が広がり、非常にうれしい。今後も増えることを視野に入れた、本格的な環境保全などの対策が大切になってくる」と語った。

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