新潟県上越市長浜のえちごトキめき鉄道谷浜駅近くに、日本海をバックに走る列車が望める「谷浜鉄見(てつみ)デッキ」が設置された。誰でも自由に景色を眺めたり、撮影したりでき、2024年5月3日には地域住民らにお披露目された。
企画したのは鉄道を生かした観光コンテンツ作りに取り組む民間有志「上越リアル鉄道博物館プロジェクト」。上越地域の自然に鉄道が溶け込む美しい風景を観光客に楽しんでもらおうと、クラウドファンディングで資金を募った。当初は同市中郷区での整備を予定し募集を開始したが、途中で現在地に変更していた。
場所は谷浜駅から西に800mほどの市道沿いで、休耕田を活用した。トキ鉄の日本海ひすいラインを走る列車と日本海、近くの阿比多神社の鳥居などを1枚に収められるとあって元々鉄道ファンに人気の撮影スポットで、地元町内会に掛け合って実現した。
デッキはスギ製で広さ約20平方m、高さは手すりを入れて約2.3m。お披露目式には長浜の坪田剛町内会長(75)やクラウドファンディングの支援者をはじめ、地元住民ら関係者約15人が集まり、デッキの上からの眺めや撮影を楽しんだ。
支援者の一人で、柏崎市の会社役員の男性(48)は「(海や鳥居など)正面の景色だけでなく、列車が遠くから走ってくる様子も見えて奇麗」。坪田町内会長は「完成して終わりでなく、今後花を植えるなど地域一丸となって盛り上げ、ここを拠点に地域を巡ってほしい」と願った。
同プロジェクト事務局の平原匡さんは「鉄道ファンだけでなくもっと多くの人に知ってもらい、季節ごとに変わる美景を楽しみに来てほしい。『ここに作ってほしい』という地域からの要望もあればコラボしていきたい」と話している。
谷浜鉄見デッキの住所は長浜908-1。谷浜駅から徒歩8分ほど。車での来場は近くの長浜会館(長浜1017)の駐車場を利用できる。