上越市に急性期や高度医療を行う中核病院 年内に上越地域の中期医療再編素案取りまとめへ

新潟県上越地域の医療体制を行政や医療関係者で検討する上越地域医療構想調整会議が2024年3月21日、上越市で開かれ、急性期や高度医療の機能を集約した中核病院を設置する中期医療再編の方向性に合意した。年内に中核病院と他の病院の機能や病床数などの再編素案を取りまとめ、2025年度からは病院開設者らも交え具体的な検討に入る方針。

中核病院の設置などの中期医療再編の方向性に合意した上越地域医療構想調整会議

中核病院は急性期や救急、周産期小児を担い、同地域では対応していない高度医療も行う。県立中央病院(上越市)と上越総合病院(同)を中心とした地域の高度急性期などの医療機能を1か所の病院に集約する。中核病院以外は地域密着型で回復期の診療を担当する。回復期病院の数は今後検討するが、現在も回復期医療を行っている上越地域医療センター病院(同)は建て替えが決まっており、回復期病院として機能や規模の適正化を図る。

上越地域の一般病床がある10病院や3市の関係者による検討会での意見を基に、県が今回の方向性をまとめた。

会合では出席した病院長から方向性を歓迎する発言が相次いた。県立柿崎病院の太田求磨院長は「スピード感をもって議論を進めないと、加速している担い手不足に対応できない」、上越総合病院の篭島充院長は「今の形で続けられればいいが現実にはほぼ無理。(方向性は)地域全体で一つの病院を作るような形で、大きな希望を見いだしたい」などと述べた。人口減少による患者、医療スタッフの減少と高齢化が進む中でも質の高い医療提供体制を維持するとして、中核病院への集約検討を急ぐことも確認した。

会議後、県福祉保健部の和田雅樹参事は「住民説明会を順次開催して県や上越地域の医療関係者の考えを住民に伝え、住民の声を聞きながら検討を進めていく」と話した。

調整会議は昨年12月、医師不足を背景に規模縮小が続く同市東雲町1の新潟労災病院の医療機能を市内6病院に移行し、2025年度中に閉院する短期再編案を了承している。

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