東日本大震災から13年を迎えた2024年3月11日、震災を忘れないようにと地震発生時刻に合わせて鐘を打ち鳴らす「勿忘(わすれな)の鐘」が、新潟県上越市寺町2の高田別院で行われた。参加した僧侶や地域住民ら約30人が手を合わせ、東北の被災地のほか、能登半島地震の被災地にも思いを馳せた。
勿忘の鐘は、津波で全壊した岩手県陸前高田市の本称寺で震災翌年の2021年から始まり、全国の寺院に広まった。高田別院では14年に初めて実施し、一時中断していたが、震災から10年の節目となる2021年、被災地の子供たちの支援を行っている真宗大谷派旧高田教区の「キッズふくしま実行委員会」の主催で再開した。
地震が発生した午後2時46分から、参加者一人一人が鐘楼に上がって鐘を突き、手を合わせた。
能登半島地震を受け、旧高田教区内の寺院関係者らは石川県に炊き出しに行くなど支援をしており、会場では義援金も募った。炊き出しにも参加したという上越市下吉野の女性(43)は「鐘を突いて、震災を忘れないということと、被災地のために自分たちにできることを模索して続けていきたいと思った」と話していた。
同委員会実行委員長で、糸魚川市の徳正寺の繁原立さん(40)は「元日の能登半島地震は、明日は我が身ということを思い出させてくれた。震災を忘れないでほしいという被災地の思いに寄り添って続けていきたい」と話した。
勿忘の鐘は、新潟教区内の他の寺院でも行われた。