上越市内企業の生産設備にも地震被害 直江津の丸互では精密金型の自動倉庫が倒壊

能登半島地震は企業にも被害をもたらした。新潟県上越市の直江津港近くにある地元企業「株式会社丸互」(同市春日新田4、前川秀樹社長)では、約1000個の精密金型を収納していた「自動倉庫」が地震で倒壊。被災から10日以上経つが、山積みになった金型を慎重に取り出して確認する作業を続けており、復旧には数か月を要する見通しだ。

同社は、木材加工、金属加工、情報技術、プラスチック射出成形、建築土木資材販売などを手掛ける複合企業。国内外の約120社から、精密なプラスチック部品の製造を請け負っている。津波の被害はなかったが、こうしたプラスチック製品の射出成形の際に使う精密金型約1000個を収納していた自動倉庫が倒壊した。自動倉庫は幅12m、奥行き6m、高さ6mの棚状の装置で、コンピュータ制御で必要な金型を取り出せる。再建すると2000万円以上かかるという。

倒壊した自動倉庫。金属の立方体が精密金型

保管されていた精密金型は製造にコストや時間のかかるオーダーメイドのいわゆる「一点もの」。被災後、同社では工場内に高所作業車を入れ、崩れた棚とともに積み重なった金型を、上から一つ一つ取り出し、ゆがんだり破損したりしていないか確認する作業を進めている。

「自動倉庫は中越地震、中越沖地震、東日本大震災でもびくともしなかった。今回は直江津で揺れや被害が大きかったのでは」と半田和之常務。「安全を確保しながら、メーカーとして供給責任をしっかり果たしていくのが私達の使命。お客さまに迷惑をかけないよう一日も早く復旧して通常運転に戻したい」と話している。

市内では、ほかにも複数の工場や小売店、飲食店などで設備などの被害が確認されている。

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