新年の家内安全や震災復興祈り 上越地域で小正月行事「さいの神」

新潟県上越、妙高両市の各町内で2024年1月7日から、新年の無病息災などを願う小正月行事「さいの神」が行われている。正月飾りや書き初めなどを持ち寄った住民は燃え上がる炎に、元日から地震に見舞われた新年の家内安全や、被災地復興などを祈った。

新年の家内安全などを願ったさいの神(上越市東城町3)

上越地域消防局によると5日現在、同局管内の上越、妙高両市で227件の実施の届け出があった。年明け最初の実施日となった7日、上越市東城町3丁目町内会(大久保正道会長)は、町内の関川河川敷で行った。昨年秋に刈り取ったかやと竹を組み合わせ、高さ10m以上のさいの神を設置し、300人近くが参加した。

年男、年女の子供らが点火した

今年の年男、年女の小学5年生8人と、大久保町内会長(65)ら役員4人が点火役を務めた。町内の出丸稲荷神社を参拝し、トーチに火をもらい受ける「採火式」を行った後、午後1時30分に点火。住民らは火を囲み、甘酒や焼いたスルメを味わっていた。

火でスルメを焼いて食べた

年女で市立大手町小5年生女児(11)は「家族と友達と元気に安全に楽しく過ごしたい。春から6年生で学校のリーダーになるから、下の学年のお手本になれるよう頑張る」と話していた。

大久保町内会長は「家内安全はもちろん、能登半島地震の余震が収まることと被災地の復興、亡くなった被災者の鎮魂を祈って点火した。今後は災害なく町内が安全に過ごせれば」と願った。

同局予防課によると、さいの神の実施は1月14日がピークで、2月下旬まで予定されている。余震でさいの神が崩れる可能性もあるとして、実施の際は例年以上に周囲の監視を強化するよう呼び掛けている。日程は同局ホームページで確認できる。

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