地場産食材を生かした給食の献立や味を競う全国大会「第18回全国学校給食甲子園」(NPO法人21世紀構想研究会主催)で、新潟県妙高市立新井中央小学校が優勝した。2023年12月14日、同校で優勝報告会が行われ、全校児童のほか、集まった城戸陽二妙高市長らが日本一に輝いた献立を味わった。
大会は食育や地産地消の推進などを目的に毎年開かれており、県勢では2009年の上越市立春日新田小以来14年ぶりの優勝となった。今年は全国から1079件の応募があり、4次にわたる書類審査を経て、12の学校や施設による決勝大会が東京都で10日に開かれた。決勝では各施設の栄養教諭と調理員がペアとなり60分以内に献立を調理し、味や調理過程が審査された。
新井中央小からは、栄養教諭の岡田小野江さんと調理員の坂詰香さんが出場。妙高の冬の風物詩であるアスパラ菜の混ぜ込みご飯や、妙高名産の辛味調味料かんずりのソースをかけたメギスの米粉揚げ、タケノコや大豆など保存食を使った酒かす入りの「ごっつぉ汁」などを調理し、名産を子供の口に合うよう工夫した点などが高く評価された。献立を考案した岡田さんは「(決勝の調理では)時間が5分ほど押して焦ったが、2人で練習を重ねてきたので落ち着いてできた。優勝するとは思わずうれしかったしびっくりした」と振り返った。
優勝報告会は、岡田さんと坂詰さんのほか、城戸市長やアスパラ菜の生産者らが集まった教室と各クラスをオンラインでつなぎ、優勝した献立を食べながら行われた。アスパラ菜は出荷時に見栄えのため切り落とされる部分もご飯に混ぜて使っていることなどが紹介され、児童は「おいしかった」「アスパラ菜がかめばかむほど甘かった」などと感想を発表した。城戸市長も岡田さんに質問しながら給食を味わい、「妙高市で行っている食育や地産地消の取り組みが全国に評価されてうれしい」と話していた。
坂詰さんは「モニターを通して(児童が)食べている姿を見られてうれしかった。岡田さんの献立は素晴らしいので、これからもおいしい給食を作っていきたい」。岡田さんは、同大会の食育授業コンテストでも優秀賞を受賞し、「日頃の食指導あっての給食だと思うので評価されてうれしい。妙高市に来てまだ2年目なので、私が知らない妙高のおいしさをこれからも探求したい」と話していた。