「生きる」など“世界のクロサワ”4作品をフィルム上映 上越市の高田世界館で12月1〜4日

新潟県上越市本町6の高田世界館で、日本が世界に誇る映画界の巨匠、黒澤明監督(1910~1998)の名作4作品をフィルム上映する「112映画祭」(同実行委員会主催)が2023年12月1日から4日まで開催される。圧倒的な映画美学で世界に名をとどろかせた黒澤監督作品を、営業している映画館としては日本最古級の同館でスクリーンで楽しめる。

「112映画祭」のちらし

映画祭は日本で唯一の国立映画機関として国内外の映画や関連資料の収集や保存、研究などを行う国立映画アーカイブとの共催で、年1回開かれている。上映するのは「生きる」(1952年、143分)、「隠し砦の三悪人」(1958年、138分)、「用心棒」(1961年、110分)、「天国と地獄」(1963年、143分)。

このうち「生きる」は第4回ベルリン国際映画祭でベルリン市政府特別賞を受賞した世界的名作で、無気力に生きてきた市役所に勤める男が、胃がんで余命いくばくもないことを悟り、人間としての尊厳を取り戻していく姿を描く。今年3月には、ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの脚本で同作をリメイクしたイギリス映画「生きる LIVING」が公開された。

「生きる」(高田世界館提供)

他の3作品は三船敏郎主演。「隠し砦の三悪人」は戦国時代を舞台に、戦に敗れた侍大将が世継ぎの姫と軍用金と共に2人の百姓を従えて敵陣を突破して脱出する姿を描いた冒険活劇で、ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」シリーズは本作からヒントを得ていることで知られる。

「隠し砦の三悪人」(同)

同館の上野迪音支配人は「世界のクロサワ映画4作品。スクリーンからみなぎる画力、熱量を感じてください。インド映画のポスターと並べて貼っていたら、三船敏郎も顔面の強さでは引けをとっておりません。若い人こそぜひ!」と話している。

上映スケジュールは同館ホームページで確認できる。料金は1作500円。12月2日午後1時30分からは、同館の貴重なフィルム映写機を間近で見られる館内見学ツアー(参加費500円)も行われる。

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