上越地域唯一の嘱託警察犬「ダイアナⅡ号」 行方不明者捜索などに協力 妙高署管内で5年ぶりに誕生

妙高警察署管内で約5年ぶりに県警嘱託警察犬が誕生した。新潟県妙高市諏訪町の会社員、安本盛夫さん(56)が指導するラブラドルレトリバーの雌、「ダイアナⅡ オブ サウス スター号」(2歳)で、2023年12月からの1年間、県警からの要請で出動し、行方不明者の捜索や交通安全広報などに協力する。11月24日、妙高警察署でダイアナⅡに嘱託書が交付された。

安本さん(前列中央)、大竹署長(右)らと記念撮影するダイアナⅡ

嘱託警察犬は普段は一般家庭などでペットとして飼われているが、警察からの要請があった場合に出動する。県内には現在、県警が管理する直轄犬3頭のほか、嘱託犬は9頭ほどが登録。上越地域ではダイアナⅡのみが任命されている。嘱託警察犬の任期は1年間で、継続するには毎年行われる審査会に合格しなければならない。 

愛らしい表情のダイアナⅡ

安本さんは過去、新聞記事で嘱託警察犬の記事を読んで興味を持ち、2009年から指導員としてシェパードの嘱託警察犬3頭を育て、ダイアナⅡは4頭目となる。これまでに7度審査会に合格したという。

ダイアナⅡは生後2か月で安本さんの元にやって来た。日頃から安本さんの指導で服従、足跡を追跡して遺留品を見つける「足跡追及」や臭気選別といった訓練を積み、10月20日に県警察学校で開かれた本年度の「県警嘱託警察犬審査会」に参加。足跡追及で無事に合格した。

署員に見守られる中、訓練の実演

交付式ではダイアナⅡと安本さんに嘱託書と指導者嘱託書がそれぞれ大竹健一署長から手渡された。大竹署長は「上越地域唯一の嘱託警察犬。高齢者の行方不明事案など迅速な対応が可能となり、効果があると考えられる」と期待した。安本さんとダイアナⅡによる服従や臭気選別などの各訓練の実演も行われ、署員たちはダイアナⅡの懸命な様子を見守っていた。

ダイアナⅡに嘱託書が交付された

現在も訓練はほぼ毎日行う。安本さんによると過去には年間約6、7回の出動要請があったという。約5年ぶりの嘱託警察犬に「訓練も意欲を持ってできるようになってきた。犬と共に社会貢献ができることをうれしく思う。警察犬といえばシェパードと思われるが、ラブでもできるということで興味を持ってもらえたら」と話していた。

嘱託警察犬の任期は12月から1年間で、行方不明者の捜索などに当たる