国の文化審議会(佐藤信会長)は2023年11月24日、新潟県上越市戸野目の保阪家住宅の主屋をはじとする敷地内の建造物5件を国の登録有形文化財に登録するよう、文部科学大臣に答申した。登録は今後、官報告示をもって正式決定する。
答申された建造物は、戸野目の雁木通り中央に位置し、地主だった保阪家住宅の主屋をはじめ、西側の離れ、北側の道具蔵、南東の温室のほか、保阪家9代当主が建てた客殿、怡顔亭の5件。
1949年建築の主屋は広大な敷地中央に南面し、切妻屋根を重ねた。離れは1909年(明治42年)に建てられ、主屋と渡り廊下で接続される。南と西の庭園に面し、幅3尺の土縁がある。
主屋の北に建つ家財蔵は1826年(文政9年)の建築で、1909年(明治42年)に移築された。土蔵2棟を曳家し、一体化した大規模なもの。大型で重厚な外観で、現在は東棟内部を公開活用している。
温室は昭和中期に建築。主屋南東に位置する。当主の趣味、園芸用に建てたもので、屋根をガラスぶきとした珍しい外観となっている。
怡顔亭は1912年(明治45年)に建築。入母屋造平入りの桟瓦ぶきで、正面には銅板ぶき唐破風の大ぶりな玄関が目を引く近代和風建築となっている。
同市によると市内に所在する国の登録有形文化財は44件で、正式に登録されると49件となる。