新潟県上越市寺町3の上越高校インターアクトクラブの生徒が2023年11月、読まなくなったり、破れたりした古い絵本120冊を集めて補修し、学校近くの明照幼稚園に寄贈した。生徒の発案から生まれた社会奉仕活動で、園児たちに読み聞かせも行った。
同クラブは1〜3年生の24人が在籍し、高田東ロータリークラブ(滝沢一成会長)の支援を受けて、様々なボランティア活動に取り組んでいる。古絵本の補修と寄贈は、2年生の小田島向羽(こはね)さん(17)が6歳の弟が家に絵本を持ち帰っていることや、活動を通して他の年代と関わりたいと発案した。
全校生徒に自宅にある読まなくなった絵本の提供を呼び掛け、回収。高田東ロータリークラブ会員で和洋紙や事務用品を扱う小川紙店(本町2)から指導と材料提供を受け、ラミネート加工や背表紙の補強などを施した。明照幼稚園から寄せられた古絵本も含め、集まった120冊のうち修理が必要だった約50冊をよみがえらせた。
11月1日に同園を訪れた19人の生徒は、年少から年長までの園児66人に、グループごとに分かれて、早速寄贈した絵本を読み聞かせた。園児たちは高校生との交流に喜び、熱心に耳を傾けていた。小田島さんは「子どもたちが喜んでくれた。いっぱい絵本を読んで元気に過ごしてほしい」と話した。
同園では園児に絵本の貸し出しを行っており、自宅に持ち帰ることで絵本が破損することも多いという。小林實園長は「読み聞かせまでしてもらい、ありがたい。活動が続いてほしい」と感謝した。
高田東ロータリークラブ青少年奉仕委員会の海瀬弘典委員長は「コロナ禍で3年半の間、思うような活動ができなかったが、生徒からいろんなアイデアが出てきて、うれしさと頼もしさを感じた」と話していた。