上越警察署管内で「可搬式オービス」使った速度取り締まり 狭い通学路や生活道路に設置可能

持ち運びができる速度違反自動取り締まり装置「可搬式オービス」を使った速度取り締まりが2023年9月20日、新潟県警上越警察署管内で初めて実施された。上越市立春日新田小学校の通学路に、児童生徒の登校時間に合わせて装置が設置された。

可搬式オービスを使った速度取り締まりの様子(20日午前7時半頃)

可搬式オービスは箱型の持ち運び可能な速度取り締まり装置のこと。制限速度を超過した車両を感知すると、車種やナンバー、運転者の顔が自動撮影され、後日違反した運転者に通知される仕組み。撮影時は発光し、撮影データは装置を操作するタブレット端末に記録される。

県警では前年度に1台を導入し、今年3月から運用をスタートさせた。県警本部によると、これまで速度違反の取り締まりを実施する場合、違反車両の誘導や書類作成に必要なスペースの確保など、警察官5、6人で役割分担をする必要があった。一方、可搬式オービスでの取り締まりは、広いスペースは必要なく、装置の設置、見張り、タブレット操作など、警察官が最低2人いれば実施可能という。全国的にも可搬式オービスは年々浸透し、道幅の狭い通学路や生活道路などで取り締まりが強化されている。

タブレット端末を操作する署員

この日は児童の登校時間に合わせ、同校前に装置を設置。児童生徒が通学路として利用する道路は、制限速度が時速30kmの市道だが、国道8号への抜け道として登下校の時間帯を含め、普段から多くの車両が走行するという。同日は同署交通課の2人が取り締まりを行った。

可搬式オービスの取り締まりは運転者へ注意喚起し、子供たちを交通安全から守る狙いも

通学路での取り締まりは運転者へ注意喚起することで、子供たちを交通事故から守る狙いがあり、同署交通課指導係の高倉信弘係長は「通学路で子供たちが歩く列に車が突っ込む事故も発生している。状況に応じ、速度を控えるなど注意して運転してほしい」と呼び掛けている。