通学路など生活道路での新たな事故防止策「ゾーン30プラス」が2023年7月、新潟県内で初めて上越市に導入された。最高速度の30km制限に加え、道路にポールなどの構造物を設置して車に減速を促す取り組みで、付近に学校が多い高田城址公園周辺地区に整備された。夏の事故防止運動スタート前日の7月22日、警察や市の関係者が現地で横断幕を持ってドライバーに減速を呼び掛けた。
ゾーン30プラスは、2021年6月に千葉県八街(やちまた)市で発生した下校途中の児童5人が死傷した事故を受け、新しい事故防止策として警察庁と国交省が全国で整備を進めている。警察庁のまとめによると、2023年3月末までに全国66地区に整備されている。
県内で初めて導入されたのは、これまでゾーン30に指定されていた上越市の本城町、西城町1・2丁目のエリア。小中高校が計7校あり、朝夕の登下校で多くの児童生徒が通るほか、ドライバーが抜け道として利用する交通量が多い道路もある。
導入にあたっては、車道の両脇にポールを立てて局所的に道路幅を狭くした場所を既存の1か所に加えて計2か所にし、路面表示で直線道路をジグザクにするクランク1か所を整備した。市によると、雪国ではポールの設置は除雪作業に支障があることから整備が進んでいなかったが、昨秋から地元町内会や学校で説明会を開き、理解を得たという。
この日の街頭監視は、児童生徒の登校時間に合わせて実施。路面にゾーン30プラスのペイントが施された西城町1の上越教育大学付属小学校付近の市道に、上越警察署や上越市道路課、交通安全協会、国交省の関係者が立ち、「ゾーン30プラス設定区域 速度をひかえて」の横断幕を掲示して、ドライバーに安全運転を呼び掛けた。
同署の小林和則交通課長は「幅員を狭くすることなどで時速30km以上の速度が出ないようにしている。ドライバーの皆さんには速度を落とすなど、歩行者への思いやりをもって安全運転を心がけて。自転車も車と同じで交通ルールを守ってほしい」と話した。