上越市が国民健康保険の高額医療費支給漏れ 3年間で25世帯74万円

新潟県上越市は2023年7月11日、国民健康保険の高額医療費の一部に支給漏れがあったと発表した。2020〜2022年度の3年間で25世帯74万1153円が支給されておらず、市は対象者に謝罪した。未支給分は今月中に支給するとしている。

高額医療費制度は、1か月に支払った医療費の一部負担金が自己負担限度額を超えた場合に超過分を支給する制度で、自己負担限度額は世帯の所得や年齢によって異なる。

市によると、支給漏れがあったのは高額医療費のうち交通事故など第三者の不法行為が疑われる給付。保険者の市が立て替えた医療費を加害者に損害賠償請求するため、高額医療費の支給を一旦保留し、第三者の行為が該当しないと判明した段階で支給することになっていたが、非該当であっても保留したまま支給していなかった。6月に市民からの問い合わせでミスが判明した。20万円以上が未支給だった世帯もある。

事務を担当する職員の理解不足と事務引き継ぎの不備が原因という。市国保年金課は「事務処理の課程を複数人で確認するなどの強化を図り、再発防止に努める」としている。

なお、今回の支給漏れついて、7月11日以降、市職員が市民に電話をしたり、自宅を訪問したりすることはないという。市は市職員をかたる還付金詐欺などの特殊詐欺に注意を呼び掛けている。