新型コロナウイルスの影響で2020年から縮小して開催してきた新潟県上越市の「越後・謙信SAKEまつり」(同祭実行委員会主催)は今年、3年ぶりに本町商店街を歩行者天国にし、酒の試飲や飲食を可能にして開催する。日時は2022年10月22日午前11時〜午後7時、23日午前10時〜午後4時。
2006年に始まった同祭は、上越地域の酒蔵やご当地グルメの出店が本町商店街に並び、2日間で県内外から10万人前後が訪れる秋の一大イベントだった。コロナ禍でオンラインや会場変更によるテイクアウトなどで実施してきたが、今年は感染対策を講じた上で、おおむねコロナ禍前の形式で開催する。密集しないよう飲食や試飲のブース間を1mずつ空けるほか、会場内は食べ歩きを禁止し、イレブンプラザや雁木通りプラザ、本町通りと交差するつじなどにテーブルを設置した飲食可能エリアを設ける。
試飲可能な酒蔵は上越市と妙高市の14蔵元と佐渡市のゲスト蔵3蔵元の計17蔵元。ワインや薬草酒の販売ブース4団体もある。飲食や物販ブースは40店を予定。試飲料は従来の2日間共通チケットを見直し、1日2000円。
新企画として、試飲した人が好きな日本酒に投票する「越後・謙信SAKE総選挙2022」を実施する。最も得票が多かった地酒をグランプリにとし、投票者の中から抽選でグランプリ酒を贈る。
祭りの成功願い 限定酒「車懸」奉納とおはらい式
開催に先立ち、越後・謙信SAKEまつり実行委員会(竹田成典実行委員長)は9月23日、同市春日の春日神社でおはらい式を執り行った。同祭限定酒の「車懸(くるまがかり)」を奉納し、集まった関係者11人が祭りの成功、安全を祈願した。
奉納した車懸は、県酒造組合高田支部に加盟する蔵元が、毎年持ち回りで祭りに合わせて製造する限定酒で、今年は同市柿崎区角取の代々菊醸造(中澤房尚社長)が担当。市内で栽培した酒米「たかね錦」を精米歩合55%まで磨き、無濾過(むろか)で仕込んだ後、同区黒岩の雪室で3か月熟成させた。
中澤社長によると、しっかりとした飲みごたえがありつつも、雪中貯蔵することでまろやかに仕上がり、「酸がきき、華やかな香りが立つ良い酒になった。ぜひ楽しみにしてほしい」と自信を見せる。
1本720mlで2200円。1500本限定で製造し、会場のほか、10月上旬からは公式オンラインショップでも販売する。また10月1日からは高田本町商店街や同市仲町の一部の飲食店でも味わうことができる。参加店舗は公式ホームページで周知する。
式には8蔵元と越後上越上杉おもてなし武将隊らが出席。玉串を捧げ、祭りの無事開催を願った。
竹田実行委員長は「3年ぶりにほぼ例年通りの開催ということで、いよいよ来たかと身の引き締まる思い。来場の皆様と感染に気を付けて安全に楽しみたい」と話した。
◇越後・謙信SAKEまつり2022 https://www.kenshinsake.com/