上杉謙信の遺徳をしのぶ「第97回謙信公祭」(同協賛会主催)が2022年8月20、21の2日間、新潟県上越市の春日山城跡などで開催された。21日は春日山町周辺で3年ぶりに主要イベントの出陣行列が行われ、謙信役の中川幹太上越市長がときの声を上げるなどして集まった観客を沸かせた。
出陣行列は、謙信率いる上杉軍と武田信玄率いる武田軍にふんした参加者が、川中島合戦の再現に向かうもの。例年は400人ほどが参加していたが、今年は新型コロナウイルス感染対策として、参加者を県内在住者に限定し、約250人が隊列を成した。
午後4時、沿道で多くの人が見守る中、武田軍、上杉軍の順番で山麓線を進んだ。春日山交差点では、上杉軍の市立春日中学校生徒や上越教育大学の学生による演武などのパフォーマンスが行われ、午後5時前、いよいよ馬に乗った謙信役の中川市長が登場。「いつ何時も、上杉の義を持って前に進むことじゃ。皆の者、出陣せよ」と声を張り上げ、参加者と共に刀を掲げて「エイエイオー」とときの声を上げた。
同市国府1の60代と70代の夫婦は「3年ぶりということで久しぶりに見に来た。コロナはまだ心配だが、伝統ある祭りなので開催されてとてもうれしい」と喜んでいた。出陣行列に初めて参加し、演武を披露した富山県出身、上教大3年の女子学生(21)は「歴史が好きで剣舞も習っていたので、興味があり参加した。想像以上に沿道の人からの応援があり、本当に戦に向かう気持ちになれて感動した」と話していた。