新潟県出身の故・田中角栄元首相が44年前、旧新井市の自民党陳情団が目白の私邸を訪れた際、自ら書いて説明した新幹線ルートの構想図がテレビの人気番組で紹介されたことから、図を保管している妙高市小出雲1の金物店「よしこし」には、連日多くの人が詰めかけている。
2006年4月1日に放送されたTBS系の人気番組「中居正広のキンスマ」の600回記念スペシャル番組で、石原慎太郎氏がかつての宿敵、新潟県出身の田中角栄元首相について書いた著書「天才」が取り上げられた。その中で、妙高市小出雲1の金物店「よしこし」が額装して店内に飾っている北陸新幹線ルートの構想図が紹介された。
北陸新幹線の構想図は、田中氏が自民党総裁になる約3か月前の1972年(昭和47年)4月13日、同店の吉越秀明店主の父、元新井市議の義英さんが、自民党議員クラブの陳情団17人の一員として目白の私邸を訪れた際、田中氏が説明用に描いたもの。
図は横約18cm、縦約13cm。すでに変色して文字は見えづらくなっているが、番号を振った3種類の新幹線ルート案が描かれている。第1案は長野から立山の下を通って富山へ抜けるルート(現在の北陸新幹線のルートに近い)、第2案は六日町から直江津に抜けるルート(ほくほく線ルートに近い)、第3案は上越新幹線の長岡から柏崎に行くルートである。
陳情に出掛けた直後の同年6月には、田中氏はベストセラーになった「日本列島改造論」を発刊しているが、この本に書かれている新幹線ルート図には、第1案が採用されている。