遺族が市を相手取り法的措置へ 浴槽で男性死亡

上越市営の温浴施設「上越リゾートセンターくるみ家族園」(同市東中島)で前日に入浴した男性(80)が浴槽で死亡しているのを翌朝になるまで見つけることができなかった事故について、施設管理がずさんだったとして、男性の遺族が市などを相手取り法的措置を取る方針を2011年5月2日までに固めた。遺族と代理人の弁護士によると、民事訴訟か民事調停で市や指定管理者の責任を追及する方針だ。

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男性が死亡した状態で発見されたくるみ家族園の浴槽

市内に住む男性(80)が4月2日に同施設を利用し、翌3日午前7時前、浴槽に浮かんで死亡している状態で発見された。死因は心臓発作だった。市の説明によると、4月2日午後8時50分に最後の客が帰った後、職員1人が浴室の清掃と残留者の確認を行ったが、異変には気付かなかったという。男性が入浴した時間などについても施設では把握していないという。

しかし、遺族によると、男性が遺体で発見された当日の説明は違ったという。市からこの施設の管理を任されている指定管理者の新潟ビルサービスの担当者は遺族に対し、午後8時30分に最後の客が帰り、同9時に残留者確認などを行って閉館したと説明したという。上越タウンジャーナルなどの報道で事実が明らかになった4月26日の記者会見で、市は最後の客が帰った時間を8時50分と説明した。

遺族はまずこの点を疑問視している。「普通に考えれば直前のお客さんがいた時点までは生きていたのではないかと思う。最後の人が帰った8時30分過ぎに亡くなり9時の閉館時には沈んでいて見つからなかったなら仕方がないとも思った。しかし8時50分以降に発作を起こしていたとしたら確認をきちんとしてもらえていれば助かったかもしれない」と話す。さらに「助かったのではないかという可能性を別にしても、遺体があったのに閉館して、10時間も湯船の中に置き去りにしていたのはずさんとしか言いようがない」とも話している。

男性が遺体で見つかったとき、浴室の外の脱衣場の手前には男性の長靴が脱いだままで、男性が使っていたロッカー2つにも鍵が掛かっていた。さらに男性が乗ってきたトラックも施設の駐車場にとめられたままだった。「これだけ人がいる痕跡があるのになぜ発見できなかったのか。法的手続きの中で明らかにしてもらいたい」と遺族は市の施設管理のあり方に強く疑問を呈している。

市はこの事故について、一貫して市民に公表する必要はないという姿勢を取り続けている。