岩の原葡萄園の「ヘリテイジ2019」が日本ワインコンクールで金賞

国産ワインの品質を競う「日本ワインコンクール2022」国内改良等品種赤部門で、新潟県上越市北方の「岩の原葡萄園」(神田和明社長)の「ヘリテイジ2019」が金賞を受賞した。創業者の川上善兵衛が生み出した3品種のブドウを厳選、ブレンドした同社最上級製品の受賞に、神田社長は「岩の原自体のブランドが評価された」と喜びを語った。

日本ワインコンクール2022で金賞を受賞した「ヘリテイジ2019」

同コンクールは、日本ワイナリー協会などで構成する実行委員会が主催。国産ブドウを100%使用した「日本ワイン」の品質や認知度の向上を目的に、2003年から実施している。開催は新型コロナウイルスの影響で、3年ぶり18回目となった。

原料の品種や色別に12部門ある中、今年は全国から706点が出品された。国内改良等品種赤部門には116点のエントリーがあり、3点が金賞を受賞した。同社は3部門に10点を出品し、7月に山梨県で開かれた審査会の結果、金賞のヘリテイジを含む7点が入賞した。

ヘリテイジ2019(中央)を含む7製品が入賞した

ヘリテイジは、川上善兵衛が作った「マスカット・ベーリーA」「ブラック・クイーン」「ベーリー・アリカントA」の3品種をブレンド。厳しい選果を経た最高品質のブドウのみを使用した赤ワインで、凝縮感のある香りや味わいが特徴だ。

製造部の上野翔技師長によると、2019年の生育期は天候に恵まれ、雨が少なく健全に育ったものの、収穫期には秋雨前線停滞による長雨で、着色が進まず悩まされたという。糖度20度以上の色付きの良いものだけを社内総出で厳選したことが評価につながったといい、「本当に苦労して、全社一丸となって選果をした。全員の力で獲れた金賞」と話した。

受賞を喜ぶ神田社長(左)と上野技師長

同コンクールでの金賞受賞は2017年の「マスカット・ベーリーA2015」以来5年ぶり4度目。神田社長は「社内皆喜んで、モチベーションが上がっている。より一層の品質、価値向上に努め、地元新潟県のワイナリーとしての存在感を高めていきたい」と意気込んでいる。

「ヘリテイジ2019」は同社では既に完売しており、県内の酒販店など在庫がある店舗では購入可能。720mlで5500円。問い合わせは同社025-528-4002

◇岩の原葡萄園 https://www.iwanohara.sgn.ne.jp/index.html