「ミサイルが発射された模様です」 上越市で初の緊急放送訓練実施

北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射を受け、新潟県上越市は2017年6月12日、ミサイル発射を想定した訓練放送を初めて実施した。午前10時15分、市内各所に設置された屋外スピーカーなどから一斉に「ミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」との音声が放送された。実際の避難訓練は実施していない。

【動画】上越市で初めての弾道ミサイル発射を想定した放送訓練

国や新潟県などはこの日、北朝鮮からミサイルが発射され、全国瞬時警報システム「Jアラート」が作動したと仮定する避難訓練を燕市で実施。原子力発電所のある都道府県では初となった。燕市での避難訓練に合わせて、上越市や妙高市など県内11の市町村では緊急放送の訓練を独自で行った。このうち上越市は、防災行政無線を用いて、市民にミサイル発射の情報を伝えた。

同日午前10時15分、市内の全世帯約7万4000戸に設置された防災ラジオや戸別受信機をはじめ、329か所に設置された屋外スピーカーなどを通じて緊急放送を開始。総務省消防庁から提供された訓練用の音声を使用し、「訓練、訓練。ミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」などと3回アナウンスした。

高田の市街地でも屋外スピーカーから、警報のサイレン音と音声が流れたが、混乱はなかった。

市危機管理課によると、今回の訓練で「防災ラジオが鳴らなかった」などといった問い合わせが28件あったが、訓練による混乱などはなかったという。