中国・新疆ウイグル自治区の人々写す 上越市の圡肥正浩さんが小川未明文学館で写真展

中国の新疆ウイグル自治区の市井の人々の姿を捉えた写真展が、新潟県上越市本城町の高田図書館内小川未明文学館市民ギャラリーで開かれている。作品は中国政府による少数民族ウイグル族に対する人権侵害が国際社会から指摘される以前の2007〜2012年に撮影されたもので、人々の素朴な表情からは、辺境の地ウイグルのよき時代を回想させる。4日まで。

写真展「維吾爾(ウイグル)旅行記」を開いている圡肥さんと作品

写真展を開いているのは、ポートレートを約30年撮り続けている同市春日新田1の圡肥正浩さん(74)。圡肥さんは知人の誘いで2007年に初めて日本から約5000km離れた同自治区に撮影旅行に出かけ、5年間で計3回、同自治区を訪ねた。

同自治区は古くから中国と中央アジア地域を結び、交通や民族、文化などが交差するシルクロードの重要な地域として栄えてきた。圡肥さんは誰でも気軽に家に呼び入れて茶や菓子でもてなし、カメラを構えれば積極的に撮影に応じるウイグルの人々の優しさや笑顔に魅了されたという。

民族衣装の子どもたち

展示している作品は約160点ですべてモノクロ写真。「人と暮らし」をテーマに、同自治区の都市、カシュガルやホータンの老街(古い町並み)、家畜市場、職人街、田園地域で撮影した。民族衣装ではしゃぐ子どもたちや彫りの深いエキゾチックな顔立ちの少女、活気あふれる家畜市場の人々などの自然な表情を捉えた作品が並ぶ。ウイグルの写真展の開催は初めて。

家畜市場

圡肥さんは「ウイグルの人たちの暮らしぶりやモノクロ写真が持つ雰囲気を味わってもらえたら」と話している。

時間は午前10時から午後5時まで。4日午後2時からは、ウイグルの撮影旅行に同行した県美術展覧会参与の橋本浩市さんによる作品解説もある。