IT企業テラスカイの農福連携で障害者が育てた野菜収穫 東京の社員に配布

IT企業のテラスカイ(東京都中央区)が今年新たに新潟県上越市で始めた農福連携事業で2022年7月、障害者が栽培した野菜が初めての収穫を迎えた。収穫されたピーマンは早速、東京の本社にも届けられ、社員に配布された。

ピーマンを収穫するスタッフ

同社の農福連携事業は、上越地域の障害者が農業や加工品製造に従事する一般社団法人「土の香工房」(同市丸山新田、早津薫代表理事)と業務提携して農業指導を受け、同市東城町1の住宅地にある面積40平方mの畑で野菜を栽培している。社員として採用された障害者は10代から60代までの男女4人で、同社上越農業チーム担当の岩嶋宏信さんと共に、農作業に汗を流している。

現在、5月中旬に苗を定植したピーマンが収穫を迎えたほか、茶豆も栽培している。試験収穫したピーマンは本社や上越サテライトオフィスの社員に配布され、「光沢があり肉厚でしっかりとしたピーマンは、スーパーで見るものとは全然違いおいしくてびっくり」「まるごと和風だしで煮たら、種までおいしかった」などと好評だったという。いずれ野菜の収穫量や種類を増やし、本社の食堂で使用する計画だ。

ピーマンと茶豆を栽培中の畑(上越市東城町1)

岩嶋さんは「土の香工房からは倒伏対策の網の張り方や除草の仕方などの指導を受けた。障害の程度もさまざまなので、集中力などの点で配慮しながら進めている。障害者が農業を通じて社会参加できるようにしたい」と話した。

はさみを使ってピーマンを一つ一つ丁寧に収穫していた女性(32)は「若芽を取ったり、肥料をかき混ぜたり、ピーマンを育てるのは難しかった。たくさんとれてよかった」と話していた。

▽テラスカイ  https://www.terrasky.co.jp/