「はやぶさ2」採取の小惑星のかけら レプリカを上越科学館で展示

小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから2020年12月に地球に持ち帰った岩石のレプリカが、新潟県上越市下門前の上越科学館で展示されている。はやぶさ2が採取したサンプルからは生命の源となるアミノ酸や水などが含まれていたことが発表されたばかり。展示は2022年7月10日まで。

展示しているレプリカ。左が実物大、右が10倍サイズ

はやぶさ2が地球から約3億km離れたリュウグウから、約6年にわたる宇宙の旅を経て地球に持ち帰った岩石や砂などのサンプルは、「太陽系の成り立ち」や「生命の起源」を解明すべく、分析と研究が行われている。

今回の展示は、JAXA宇宙科学研究所はやぶさ2プロジェクトと研究施設がある相模原市、同市の民間団体「JAXA宇宙科学研究所と夢を創る会」などが企画。同研究所が3Dプリンターで製作した精密なレプリカを、希望した全国の科学館や博物館などの展示施設196施設に配布した。初代「はやぶさ」が地球に帰還した2010年6月13日を記念した「はやぶさの日」の6月13日に合わせ、全国で一斉に展示している。

展示に見入る子供たち

展示しているのはリュウグウの赤道付近に人工的に作ったクレーター近くで採取された、長さ8.6mm、重さ0.09gのサンプルのレプリカ。肉眼では指先にのる程度の小さなかけらだ。採取されたサンプルの中で3番目に大きいもので、10倍サイズもある。

市内の小学5年生の男子児童(10)は「石炭みたいな感じ。宇宙にこういう石があったなんてすごいなと思った」と話した。

はやぶさ2のミッションについて動画やパネルでも紹介

会場では、はやぶさ2のミッションについて動画やパネルで紹介し、上越市三和区のホシノ工業製のテープやひもが採用されたカプセル帰還の「パラシュート」のレプリカも展示している。

同館の永井克行館長は「難しいかもしれないが、生命はどこから生まれたのかを考えるきっかけにしてほしい」と話していた。展示は入館料で観覧可能。時間は午前9時から午後5時まで。

レプリカは同市清里区青柳の「上越清里星のふるさと館」でも展示している。