上越市が「あかね」売却容認へ カーフェリーの早期再導入など条件に

佐渡汽船が小木―直江津航路の高速カーフェリー「あかね」の売却方針を示している問題で、新潟県上越市は2020年10月20日、できるだけ早い時期にカーフェリーを再導入することなどを条件に売却を容認する考えを市議会文教経済常任委員会で明らかにした。

同市が売却容認の前提として佐渡汽船に求めるのは、①経営改善②経営状況の定期報告③可能な限り早期のカーフェリー再導入④佐渡島内の2次交通の利便性向上──などの5条件。市は月内に予定されている県、佐渡市、佐渡汽船のトップによる4者協議で一定の合意形成を目指す。

条件付きで「あかね」売却容認の方針が示された上越市議会文教経済常任委員会 IMG_1732

上越市は当初、あかねの売却に反発していたが、佐渡汽船から将来的に中古カーフェリーの導入に取り組むという考えが示されたことなどから、一定期間はジェットフォイルのみになり車両の輸送ができなくなるものの、条件付きで売却を容認する方針を固めた。

佐渡汽船は今年7月、2015年に導入したあかねを売却し、同航路の赤字圧縮のため高速旅客船のジェットフォイルを中古で導入する方針を示していた。しかし今月7日、中古ジェットフォイルの購入を取り止め、新潟―両津航路の既存のジェットフォイル「ぎんが」を運航させる方針転換を市に申し入れた。

市議会では、カーフェリー再導入の時期を明確にすべきなどの意見が出た。小田基史産業観光交流部長は「佐渡汽船は現時点でも中古のカーフェリーを探している。佐渡汽船の動きを引き続きをよく見ていきたい」と話した。

佐渡汽船の2020年12月期通期の業績予想では、過去最大の約27億2000万円の赤字で、決算で債務超過となる見通しとなっている。

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