「謙信しいたけ」で知られる新潟県上越市柿崎区の「有限会社 エス・エヌファーム」(資本金2000万円)が2015年1月30日、新潟地裁高田支部へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けたことが分かった。帝国データバンク上越支店によると、負債総額は約5億5700万円。
同社はしいたけの栽培を目的に1994年(平成6年)9月に設立。原木を使用しない菌床栽培を行い、「謙信しいたけ」の商品名で、県内外のスーパーなどに販売されていた。しいたけは小ぶりだが、弾力があって香りが良いのが特徴で、「茎までおいしい」がキャッチフレーズ。
しかし、リーマン・ショック後の景気低迷による消費不振で、販売量や価格がともに低下し、近年は赤字決算が続いていた。設備投資のための借入金の返済負担も増し、資金繰りが困難になっていた。
債権者は39人で、負債総額約5億5700万円のうち、金融債務が4億3500万円。現時点ではスポンサーによる支援は受けず、増産による収益の改善、主要取引先の協力などで自主再建を図る計画となっている。