国際石油開発帝石 直江津LNG基地がしゅん工

新潟県上越市八千浦の直江津港で、国際石油開発帝石(東京都港区、北村俊昭社長)が建設を進めてきた同社初の液化天然ガス(LNG)受け入れ施設「直江津LNG基地」のしゅん工式が2013年12月9日、現地で行われた。同基地は容量18万klのLNGタンク2基を擁し、パイプラインを使って関東圏の1都7県に天然ガスを供給する。1日から商業運転を開始しており、同社はLNGの安定供給の向上を目指している。

操業開始した直江津LNG基地のLNGタンク
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約190人が出席したしゅん工式
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基地は約1000億円をかけて同港内の埋立地に建設され、敷地面積は約25ha。2009年7月に本格工事を開始し、LNGタンク2基のほか、積載量21万立方m級の大型タンカーが着桟できる受け入れ桟橋、LNGの気化や熱量を調整する設備などを備えている。LNGの年間取り扱い能力は約150万tで、約500万世帯の年間消費量に相当する天然ガスを供給できる。また長岡市の南長岡ガス田から天然ガスも受け入れ、同基地で輸入したLNGと合わせて安定的な供給を行う。

ガスは総延長1400kmのパイプラインで、関東圏を中心に1都7県のガス事業者や企業などに販売される。

しゅん工式には関係者ら約190人が出席し、神事などが行われた。北村社長は「今後は天然ガスの需要が伸びていくだろう。安定供給の向上に向け安全操業を心がけたい」と話した。その後、市内ホテルで行われたしゅん工祝賀会で上越市の村山秀幸市長は「直江津がエネルギーや物流の活性化で拠点性として高まり、まちの発展につながれば」と期待した。

基地は8月下旬のLNGタンカー第1船入港後、試運転などを実施し、当初の予定より1か月ほど早く12月1日から本格的に操業を開始している。同社は今年8月から18年3月まで中部電力とLNGの売買契約を結んでおり、基地は当面、隣接する中部電力上越火力発電所からLNGを調達する。また国際石油開発帝石が自前で開発を進めているオーストラリア沖の海底ガス田が16年末ごろに生産開始予定で、基地でも受け入れる計画だ。