2015年春の開業に向けて北陸新幹線の列車走行試験が2013年12月2日、長野―黒部宇奈月温泉間で始まった。新潟県上越市大和の上越妙高駅では午前6時15分ごろに、JR東日本の電気・軌道総合検測車「イースト・アイ」が到着した。同市などが主催する歓迎セレモニーが行われ、市民らが熱烈に出迎えた。
列車走行試験は新幹線の建設主体の鉄道・運輸機構と、JR東日本、西日本が来年3月まで行う。期間中はレールや信号設備などをチェックする。
6両編成のイースト・アイはこの日、午前1時30分過ぎに長野駅を出発。時速30km程度で走行しながら、飯山駅を経由し、午前6時15分ごろ、上越妙高駅3階のホームに姿を表した。上越教育大学吹奏楽団が大河ドラマ「天地人」のテーマを演奏し、市民らが拍手で出迎えた。セレモニーで村山秀幸市長は「歴史的な瞬間で心から喜びたい。約20年前から新幹線の誘致や新駅周辺の建設整備に取り組んできた。開業に向けて機運醸成がさらに進むことを祈念したい」とあいさつした。
イースト・アイはレールや列車からホームまで間隔などを確認。午前9時10分ごろに同駅を離れ、糸魚川駅に向かった。出発に合わせて見送りイベントが行われ、地元大和小音楽部がバンド演奏で盛り上げ、和田小6年が「夢のせて越五の国をつなげよう」と横断幕を掲げ、児童一人ひとりが新幹線開業への期待を川柳にして読み上げた。
市によると、歓迎と、出発を見送る両イベントに公募を含めて約600人がホームに集まった。また高架下で行われたパブリックビューイングには約250人が参加した。