直江津市街地の天王川に1万匹のボラの大群

新潟県上越市直江津地区の市街地を流れる天王川で1万匹近いボラなどの群れが見られる。近くに住宅や飲食店などが立ち並ぶ川に体長10cmほどの海の魚たちがひしめき合うように泳いでいる。

天王川のボラの大群
天王川のボラ11

ボラは熱帯や温帯の海に広く分布する海水魚だが、幼魚が群れで淡水域に遡上してくることがある。天王川沿いでは、西本町3の府中八幡宮の東側や、同町内の小林たばこ店裏手などで見られる。

天王川を泳ぐボラの大群(動画45秒)

出勤時にこの付近を通り観察している市立水族博物館の中村幸弘館長によると、天王川には2004年ごろからボラの群れがやって来るようになった。毎年夏ごろに遡上してきて初冬まで川で暮らし、その後は産卵のため再び海に帰っていくという。ボラのほか川底にはハゼもおり、まれにクロダイも混じっているという。中村館長はこの付近には1万匹近い魚がいるとみている。

天王川はかつて家庭の生活排水が流れ汚れていたが、近年の下水道整備で水質が良くなった。中村館長は水質が良くなったことで、魚がえさとする、藻やケイソウなどが生え、魚がやって来るようになったのではないかとみている。

やってきたころは体長5cmほどだったボラの幼魚は現在では10cmほどまで大きくり、間もなく海に帰っていく。

ボラの大群がいた場所
天王川1

市街地を流れる天王川
天王川の様子