準天頂衛星「みちびき」利用し上越で実証実験

新潟県上越市西田中の桑原測量(桑原清一社長)と金井度量衡(本社新潟市)が2012年3月7日、数センチ単位で位置を計測できる国産の測位衛星「みちびき」を活用した実証実験を妙高市内で行った。今後、除雪車両の高精度な制御に活用する計画で、試作機の開発に取り組む。

「みちびき」は2010年9月に打ち上げられた日本初の準天頂衛星。現在運用されている衛星利用測位システム(GPS)など通常の静止衛星が赤道上を自転と同じ速度で回っているのに対し、準天頂衛星のみちびきは長時間日本の上空に位置するように特殊な軌道を周回する。日本の真上に近い位置にいることで建物や山などに影響されることなく数センチ単位の高精度の測位ができる。現在は1機のみだが、将来的には4機打ち上げられ、24時間日本上空をカバーする計画となっている。

桑原測量などはこの衛星の機能を除雪車の制御に活用し、雪に埋まって見えない縁石ブロックや路側の位置、段差などを、除雪車の運転手に数センチ単位で知らせるシステムの開発に取り組んでいる。

7日、妙高市内でみちびきと現行のGPSそれぞれの受信機を車に乗せて、除雪車と同様に時速30kmで走行し、位置情報の精度を確かめる実証実験を行った。

乗用車に受信機を乗せ妙高市内を走り精度を確かめた
みちびき

車に積まれた受信機
実験

桑原測量の宮下寿幸空間事業情報部長は「これまでも除雪車の位置情報の提供などに取り組んできたが、みちびきにより何ランクも上の数センチという精度が可能になる」と話している。

*「みちびき」についてのJAXAのページ
http://www.jaxa.jp/projects/sat/qzss/index_j.html