「上越・夏の涼」(3) 筒石駅のホームは地下40m

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暑い夏を少しでも涼しく過ごしてもらおうという「上越・夏の涼」企画の第3弾。

前回取り上げた正善寺ダムの地下に入るには、年1回の見学会に参加するか、団体で申し込まなければならない。だが、糸魚川市にあるJR西日本の筒石駅なら、わずか140円の入場券を買うだけで誰でも涼しくなれる。

筒石駅は、ホームがトンネルの中にある特殊構造であり、危険防止のため駅員が交代で24時間勤務をしている。常時2人の駅員が、1日上下14本ずつある普通列車の到着ごとに地上からホームまで降りて、安全確認や乗降客などへ案内を行っている。

↓地下トンネルの中にある筒石駅のホーム
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 改札口を出ると、そこからやや暗い階段を降りるトンネルになる。もちろん、エスカレーターもエレベーターもない。

降りていくと、どんどん気温が下がり、涼しくなってくる。上りのホームまでは212mあり、階段は280段。下りホームまでは176mで、290段である。

筒石駅のホームは、約11kmの頸城トンネルの中ほどにあり、地上からの深さは40m。

ホームに特急などの通過列車が通ると、立っていられないほど強い風が吹き抜ける。このため、ホームと通路の間にはドアで遮断されている。

待合室はそのドアの内側にあり、ベンチが設置されている。

下りホームの待合室に温度計があったので、見ると19度。地上は30度を超えているので、ずいぶん温度差がある。気温は低いが湿度は高いので、ひんやりした冷たさだ。冬は10度前後で、外より温かくなる。まさに、地底の駅である。

乗降客は学生が主なので、日中はほとんど電車の乗り降りがない。だが、この取材中、大阪から来たという若い鉄道ファンの男性は「初めてトンネル地下駅に来た」と興奮して写真を撮影していた。また、茨城県から自動車で旅行の途中に立ち寄ったという夫婦は「ガイド本に書いてあったので立ち寄った。涼しくて良かった」と話していた。

同駅では鉄道ファンや観光客のために、駅についてのA4判の資料を用意している。

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