温浴施設での男性死亡で上越市が記者会見

上越市営の温浴施設「上越リゾートセンターくるみ家族園」(同市東中島)で前日の入浴客が死亡したのを翌朝になるまで見つけることができなかった不祥事について同市は2011年4月27日、記者会見して事実経過などを説明した。野澤朗健康福祉部長は今回の事案について「市民に公表する必要はなかった」という見解をあらためて示した。また、男性が死亡したとみられる日には浴室の定期巡回を8回実施していたにも関わらず、発見できなかったことも新たに明らかになった。

市役所で記者会見
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同市夷浜に住む男性(80)が4月2日に同施設を利用し、翌3日の朝、浴槽に浮かんで死亡している状態で発見された。死因は心臓発作だった。2日の営業終了直前の午後9時前に職員が浴室の清掃と残留者の確認を行ったが、異変には気付かなかったといい、施設では男性が入浴した時間などについて把握していなかった。

また市によると2日は午前8時30分、同10時、正午、午後2時、同4時、同6時、同8時、同9時に浴室の定時巡回が行われた。職員1人が浴室に入り、水質の検査や利用者の状況を確認したというが、いずれの時間でも異常はなかったという。

市は不特定多数が利用する公共の施設で男性が死亡し、それを翌日まで発見できなかった今回の不祥事について公表してこなかった。野澤部長は「人が一人亡くなったことについてお悔やみを申し上げる。翌朝まで発見できなかったことは大変申し訳なかった。今回の事案は病死であり市民に公表する必要はないと判断した」と説明した。

*関連記事「市営施設の浴槽に男性遺体 上越市公表せず」(2011年4月26日)