新潟県上越市大町5の今井染物屋前に2018年3月17日、年代物の屋台を使った一日だけのコーヒー店が出現した。店主は、上越市本町2に住むニュージランド出身のクリストファー・フィリップスさん(56)で、イタリア製の手動エスプレッソマシンを使って、一杯ずつ丁寧にカフェラテをいれていた。
フィリップスさんによると、「屋台は上越市内にあったものを譲り受けた。100年ほど前の貴重な屋台で、同じものはここと京都に1台ずつしかない」と話す。
屋台は老朽化が激しく、補強したり、建具の接続部を取り替えるなどの修理を施した。1948年(昭和23年)製造の大八車に載せ、移動できるようにした。
フィリップスさんは「屋台は大正ロマンを感じる。出窓のデザインも良く、イキでおしゃれで、かわいい」と、ほれ込んでいる。
積んでいる2台のエスプレッソマシンは、1950年頃に使われたイタリア製。コンロで水を熱して蒸気を発生する仕組みで、完全手動。「スイッチを押すだけでコーヒーができる時代だが、これは1杯作るのに5分かかる。手間がかかる分、おいしい」と話す。
この日は「どれだけ早くコーヒーが出せるか」「風の影響はどうか」などを調べるための実験営業。今後は保健所の営業許可を取り、正式出店したい計画だ。
カフェオレを味わった上越市内の男性(39)は「コーヒーの苦味とミルクの甘みのバランスが良い。泡立ちが良く、本格的な味」と話していた。