上越市ガス水道局がカーボンニュートラルガス導入 燃やしてもCO2排出量実質ゼロ 新潟県内初

上越市ガス水道局は2021年7月、温室効果ガスの排出が実質的にゼロとみなされる「カーボンニュートラルガス」の供給を始めた。資源開発大手のINPEX(本社東京都)から供給を受け、市内の大口需要家である有沢製作所(本社上越市)に供給しているほか、同局でも使用を始めた。ガス事業者から需要家への供給は新潟県内初となる。

ガス水道局に灯されているガス灯もカーボンニュートラルガスを使用
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カーボンニュートラルガスは、天然ガスの採掘から輸送、燃焼までの工程で発生する温室効果ガスの総量を、再生可能エネルギーや省エネ機器導入、植林などにより実現した温室効果ガス削減量で相殺することにより、排出量がゼロとみなされる。削減量を数値化し認証を得たCO2クレジットを活用している。

INPEXは2050年の「自社排出ネットゼロカーボン」を目標として掲げ、エネルギー構造の変革に取り組んでいる。7月1日から2026年3月末まで同局がINPEXからカーボンニュートラルガスを購入し、有沢製作所に供給する天然ガスのうち一部をカーボンニュートラルガスに変更することで、約1万9000トンのCO2削減が実現できるという。

同局では当面大口需要家を対象としているが、今後は市内の工場や大規模な商業施設などCO2排出量削減に取り組む企業向けに準備を進めている。同局では「脱炭素社会の実現と地域の持続的な成長に貢献したい」としている。