上越市「検証なければ同意せず」 あかね売却方針で全員協議会 怒りの声

佐渡汽船が小木―直江津航路の高速カーフェリー「あかね」の売却方針を示していることについて、上越市議会は2020年7月16日、全員協議会を開き市側から経緯の説明を聞いた。議員からは、導入から約5年での方針転換に佐渡汽船の責任を問う怒りの声が相次いだ。野澤朗副市長は「過去の検証がなければ(売却)の同意はしない」と述べ、議会とともに同市の立場を鮮明にして今後の交渉に臨む姿勢を明らかにした。

「あかね」の売却方針を受けて開かれた上越市議会全員協議会
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同社は小木―直江津航路の年間約10億円の赤字を削減するため、上越市と佐渡市が合計10億円を超える補助金を負担し導入した「あかね」を売却し、高速旅客船のジェットフォイルを就航させる方針。赤字の原因は、観光客の減少や島内の急速な少子高齢化による輸送人員の減少、双胴船のあかねの揺れに対する不評の広がり、海外製であることによる修繕費の増加などを挙げている。

これについて議員からは、「北陸新幹線の敦賀延伸でこれからという時に、採算が悪いからと基本スキームを変えるのはおかしい。上越市の産業、経済、観光を揺るがす重大な事件だ。夢も希望もなくなる」(宮越馨氏)、「導入時にずっと(乗り心地の良い)トリマラン(三胴船)で進めていたのに、突然カタマラン(双胴船)になった。佐渡汽船の責任は重い。裏切られた」(江口修一氏)など、同社が行った船種選定の経緯や経営計画のずさんさを追求する意見が相次いだ。

市によると、あかねの売却には、海上運送法に基づき県、上越市、佐渡市の同意が必要。野澤朗副市長は、「我々も怒っている。市として補助した以上、過去の検証がなければ同意はしない。自治体として態度を明確にして、議会と一体となって佐渡汽船と対峙たいじしていく」と強調した。

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