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締め切り迫りネットから記事盗用 上越タイムスが記者と上司ら処分へ

2週間前

新潟県上越地方で日刊地域紙を発行する上越タイムス社は2019年11月30日、同紙が11月18日に掲載したミニボート事故に関する記事が上越タウンジャーナルの記事に酷似していたとして、朝刊紙面におわびの社告を掲載した。記者のほか、編集局の幹部を懲戒処分にするとしている。

2019年11月30日付上越タイムスの社告
20191130

上越タイムスの記事は、署名入りで記者が独自に調べた体裁の「じょうえつリポート」という特集記事。直江津港などでのミニボート事故の実態などを報告している。同社の調査では、記事のリード(最初の段落)から構成、表現の全般にわたり、11月1日に掲載した上越タウンジャーナルの記事と酷似していることが確認できたとしている。

上越タイムス社によると、記者は締め切りが迫る中、記事の構成がまとまらず、ネットで検索し、上越タウンジャーナルの記事に依拠したという。

上越タイムス社は、「記者倫理に背く重大な事案」として、記者のほか、上司である編集局長、編集局次長、報道部長を処分するとしている。また、記者の再教育や再発防止などに務めるとしている。

▼上越タウンジャーナル(2019年11月1日掲載)

操縦免許が不要なうえ、インターネットなどで簡単に購入できる手軽さから、海釣りなどで多く利用されている「ミニボート」。手軽さの反面、海に関する知識や法令などを学べる機会が少なく、毎年海難事故が多く発生しているのが現状だ。上越海上保安署(吉田勝昭署長)は減らないミニボートによる海難事故を防ぐため、「ミニボートの危険を知った上で使ってほしい。今一度、安全について考えて」と広く注意を呼びかけている。

ミニボートとは船体の長さが3m未満、約2馬力未満の船舶のこと。小型船舶操縦士の免許や登録が不要のため、釣り目的で沖に出るために気軽に利用する人が増加している。一方で、波の影響を受けやすい不安定な船体構造や、サイズが小さいために他の船舶から発見されにくいといった特徴もあり、海難事故が多く発生している(以下略)。

▼上越タイムス(2019年11月18日掲載)

船舶免許や定期検査などが不要なため、釣りやマリンスポーツで近年人気を博しているミニボート。手軽に利用できる一方で、気象や航法などの知識がないまま使用されることが多く、例年、上越海上保安署(吉田勝昭署長)管内でも海難事故が発生している。同署は安全な航行のため、同船舶に関する知識の習得や救命対策の徹底を呼び掛けている。

ミニボートは船体が3メートル未満で、エンジンの出力が2馬力未満の船舶。小型船舶免許を必要とせず、安価、軽量で持ち運びやすい点が特長。手軽さの半面、船体が小型のため波の影響を受けやすく、他の船舶から視認しにくいなどの課題もある(以下略)。

3年前にも同様の事案

上越タイムスによる記事の盗用は今回が初めてではない。3年前の2016年10月にも同様に上越タウンジャーナルの記事と酷似した記事を掲載し、おわびと再発防止の社告を載せた。

2016年10月29日付上越タイムスの社告
20161029

2016年10月26日に上越タウンジャーナルが掲載した「上越斎場建て替え」の記事と、28日の上越タイムスの記事が酷似していた。当時の同社の説明では、最初に出稿された記事の出来が悪く、上司がタウンジャーナルの記事のコピーを渡して書き直しを命じたところ、「タウンジャーナルの記事に引っ張られ」(同社)、結果的に酷似した記事が掲載されたという。

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