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108年前の明治の駅舎再現 トキ鉄の二本木駅がリニューアル

2週間前

スイッチバックで知られ1910年(明治43)建築のえちごトキめき鉄道(嶋津忠裕社長)の二本木駅(新潟県上越市中郷区)が2018年10月にリニューアルされ、漆喰の外壁に黒塗りの腰板など、外観の一部は108年前の建築当初の姿を取り戻した。同社は早ければ来年にも国登録有形文化財への登録を目指す。鉄道ファンの根強い人気を集めるスイッチバックと合わせて誘客増を図り、駅と地域の活性化につなげたいとしている。

明治末期の建築当初の姿が再現された二本木駅
二本木駅新駅舎2

二本木駅は1911年(明治44)年に開業。開業当初から、妙高山麓の急勾配の地に停車するため、列車の進行方向を変える全国的に珍しい「スイッチバック」がある。鉄道ファンの来訪も多く、昨年、ホームの端に線路と同じ高さでスイッチバックの様子を見学できるスペースを設けたほか、金属板で覆われていた駅舎の明かり取り用の高窓が見えるようにし建築当時の姿に近づけた。

白い漆喰の外壁に黒塗りの腰板が貼られ、レトロな雰囲気も漂う
二本木駅2入り口

今回の改装工事は、上越市の歴史的建造物等整備支援事業の補助金750万円を活用。建築当初の姿が一部残っていた1971年の写真を参考に、8月から2か月間かけて、トタンだった駅舎の外壁の張り替えや漆喰の塗り替え、高窓やホーム待合所の案内板の修繕などを行い明治の姿によみがえらせた。

改修工事の参考にした1971年の開業60周年記念式典で撮影された二本木駅​​(えちごトキめき鉄道提供)
S46二本木2

同駅は、1920年(大正9)に隣接地で操業を始めた日本曹達二本木工場の貨物輸送が2007年まで行われていて、かつては工場内に専用の線路が引き込まれていた。リニューアルにあわせ、工場内に保管されていたタンク車の車輪とポイントが日本曹達から寄贈され、駅前広場に歴史の象徴として展示された。

日本曹達の貨物輸送で使用されていたタンク車(えちごトキめき鉄道提供)
貨車

このほか月2回、地域住民が喫茶店を開いている駅舎内のコミュニティースペース「さとまるーむ」の調理設備の充実を図り軽食が提供できるようにし、エアコンも設置した。

二本木駅のスイッチバックを通過する電車
二本木駅スイッチバック

赤レンガ造りのランプ小屋
二本木駅レンガ倉庫

駅構内には、駅舎をはじめ明治末期に建てられた油を保管する赤レンガ造りのランプ小屋や木造倉庫、大正から昭和初期建築のスイッチバック引き込み線の木製スノーシェッドやホーム待合所など合計7棟の歴史的建造物が残る。同社では「国登録有形文化財化やスイッチバック、『さとまるーむ』の活用などの相乗効果で誘客増を図り、地域の活性化につなげたい」としている。

10月13日に開催される二本木鉄道まつりで寄贈されたタンク車の車輪の除幕式が行われ、駅構内の歴史的建造物のガイドツアーなども開かれる。

二本木駅の場所