創業104年の上越市仲町2「小島スポーツ」が閉店 スキーヤーに愛された専門店

新潟県上越市仲町2のスポーツ用品店「小島スポーツ」が2026年6月29日、閉店した。同店は高田地区の目立たない場所にあるが、板や靴、ビンディングなどスキー用具に関する豊富な知識と品ぞろえ、メンテナンスの技術ときめ細かなサービスでスキーヤーに人気の名店だった。

創業104年の幕を下ろした「小島スポーツ」

同店の歴史は「スキー発祥の地」高田の歴史とも重なる。1911年(明治44年)1月12日、オーストリア・ハンガリー帝国の軍人レルヒ少佐が日本で初めて上越市にスキーを伝えた後、スキーの普及に伴い大正期になってからスキーブームに。材木商だった代表の小島康資さん(77)と店長の昌弘さん兄弟(73)の祖父、鶴松さんが1922年(大正11年)に創業したのが、同店の前身となる「小島スキー製作所」だ。

上越市史によると、当時の高田のスキー製造はほとんどが家内工業的な小規模生産で、1927年(昭和2年)頃のスキー製作所は7軒で従事者は60人。小島スキー製作所もこのうちの一つだった。

閉店まで康資さんのコレクションとして「カザマ」など往年のスキー板を店内に展示した。中央の赤いスキー板が唯一残っていたという小島スキー製作所製

その後、鶴松さんの娘で兄弟の母、愛子さんが店を継ぐ頃にはスポーツ用品店となり、1975年に愛子さんの急死によって兄弟で店を継いだ。昨年春、スキー板のメンテナンスなどを担当していた康資さんが大病を患ったこともあり、閉店を決めたという。

同店はスキー板や靴を購入する際の的確なアドバイスはもとより、丁寧な仕事ぶりが評判だった。靴の内側で足の指やかかとが当たる部分のプラスチックを熱で押し広げる「シェル出し」や、シーズン後のスキー板の傷の補修やエッジ研磨を行う「チューンナップ」の技術には定評があり、上越地方を中心に県内だけでなく富山や長野からも客が訪れ、長年通い続ける常連も多かった。

スキーヤーが集った店内

最終日29日は客が次々と訪れ、昌弘さんが対応に追われた。昌弘さんは「昔から来ているお客さんからは、『寂しい』という声を一番聞いた。お世話になりました」と話した。