行政支援は10億円増え32億円に トキ鉄中期経営計画 赤字は年平均5億円以内目標

新潟県上越市のえちごトキめき鉄道は2026年2月25日、2026年度から2032年度までの「第二次中期経営計画」を発表した。人口減少やエネルギー価格の高騰、老朽施設の更新といった厳しい経営環境を受けた県や沿線3市(上越、妙高、糸魚川)からの行政支援は、昨年の合意時点から10億円増加し約32億円となった。計画期間中の赤字の年平均は5億円以内を目標とした。

「第二次中期経営計画」を発表する平井隆志社長(右)

人件費増や災害復旧などで行政支援10億円増加

2025年3月に開業10年を迎えた同社は、沿線の急速な人口減少に伴う利用者減少に加え、新型コロナの影響による行動様式の変化で、2024年度の利用実績は新型コロナ流行前の約88%にとどまっている。

行政支援は赤字が常態化し資金不足が見込まれることから、昨年、県と沿線3市が2032年度まの7年間で22億2000万円を支援することで合意していた。トキ鉄によると、中期経営計画策定にあたって精査したところ、人材定着のための人件費や車両検査費の増加、電気や軽油の動力費の上昇、昨年9月の水害で被災した直江津変電所の復旧費用などが加わり、支援額は10億円増えて約32億円となった。県と沿線3市で4対1の割合で負担し、支援は2027年度からの6年間となる。

また変電所など老朽施設の更新資金となる県からの貸付金も、約32億円から3億円増え約35億円となった。

赤字は年平均5億円以内目標

これらの行政支援を踏まえた中期経営計画の経営目標は、1日当たりの利用人数を2024年度に比べ282人減の9000人に設定。人口減少が進む中、計画最終年度の2032年度に予想される8058人より約1000人増やした目標を掲げ、通勤定期の利用促進などを行っていく。営業収益は2024年度に比べ2億1000万円増の38億7000万円に、年間の純損失の平均は同2億2000万円増の5億円以内とした。計画期間中の運賃改定は予定していない。

リゾート列車「雪月花」の首都圏や関西圏へのPR強化や、妙高高原地域で計画されている大規模リゾートを訪れるインバウンド客の取り込みなどの増収策と業務の全般的な見直しやDX化による経費削減などを合わせた自助努力で、7年間で8億6000万円の収支改善効果を見込む。妙高高原駅のバリアフリー化工事を行うほか、デジタルチケットやキャッシュレス決済の導入を検討する。

記者会見した平井隆志社長は「行政からの支援金は税金で、昨年10月には運賃を値上げし、地域の皆様の負担を増やしている。負担をお願いしている以上、しっかりと経営し、そのための努力をするのが我々の責任」と述べた。

えちごトキめき鉄道「第二次中期経営計画」

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