2026年2月8日投開票の総選挙。豪雪地である新潟県上越市では真冬の選挙が候補者、有権者、行政それぞれに重い負担を強いている。市選管は投票時間繰り上げを決め、27日の公示に向けて山間部では1.5mの雪を除雪して掲示板の設置を進めている。雪のため街頭での活動が事実上制限されることから、立候補を予定している各陣営も対応に苦慮している。
ポスター掲示場数を削減
上越市選管は、1001か所あるポスター掲示場を923か所に減らすことを決めた。公職選挙法では「特別の事情」がある場合、掲示場の数を減らすことができる。高田地区などではポスター掲示場が除雪した雪の置き場となっているケースがあり、市街地を中心に数を減らす。
除雪しながら設置作業
一方、山間地では選管から委託された業者が除雪を行いながら、掲示板の設置作業を進めている。

牧区内の49か所でポスター掲示板の設置を受託しているくびき野森林組合は1月22日午後、積雪約1.5mの同区宇津俣で除雪しながら設置作業を行った。この場所は3日前に1度除雪したというが、再び雪が積もり除雪し直した。この日は掲示板の支柱のみを設置した。作業していた男性は「除雪と設置で1か所につき4、5回程度作業が必要になる。冬でなければ2、3日で全ての掲示板を設置できていたが、今回は1週間程度、公示の前日までかかってしまう」と話していた。
選挙期間中も道路除雪された雪でポスターが見えなくなっていないか、降雪がある度にパトロールを実施することにしている。

史上初の全投票所時間繰り上げ 職員が除雪も
上越市選管は今回、137か所の投票所の投票時間を1時間繰り上げることを決めた。全投票所の時間を繰り上げるのは初めてだという。
公職選挙法は投票時間を原則午前7時から午後8時までと定めているが、「特別の事情」がある場合、繰り上げや繰り下げができる。これまでの選挙で繰り上げが行われている投票所は、従来の投票終了時間から1時間早く投票が締め切られる。市選管は「雪により道路状況が悪ければ、投票箱を開票所まで運ぶのに通常より時間がかかることが予想されるためやむを得ない」と話す。
また、投票所の除雪も各投票所を担当する市職員が行う。市選管は「大雪になった場合には施設を管理している部門の職員にも協力を要請することになる」としている。
出陣式も屋内で開催 雪で街宣車の声聞こえない?
立候補予定者の各陣営も雪への対応に苦慮している。
ある陣営は通常屋外で行う公示日の出陣式を、セレモニーホールを借り屋内で開催する異例の対応を決めた。陣営関係者は「吹雪の中、支持者を外に立たせておくわけにいかない。真冬の選挙なのでやむを得ない」と話す。また選挙カーによる街宣でも、車を止めて行う街頭演説が積雪により困難なことから、街宣ルートに合わせて屋内の会場を用意し、個人演説会を行うことを計画している。
別の陣営関係者も「街宣車で走っても雪に吸収され声が聞こえないし、有権者も雪で外に出られない。今回の選挙は雪が一番気になる」と話す。
2月の総選挙は36年ぶり 上越市長選は真冬避け秋に
厳冬期の2月に総選挙が行われるのは1990年以来36年ぶりとなる。
上越市では「3年豪雪」の最後の年である1986年2月、市長選が行われた。市街地の積雪が2m超える中、公示日には一斉雪下ろしが始まり、事実上選挙運動がほとんどできなかった。これを経験した当時の植木公市長は積雪期の選挙を避けようと1993年11月、5期目の任期を3か月残して辞職した。今も上越市長選挙は秋に行われている。